夜の坐禅会
夜空に輝く月のやわらかい光に照らされながら、入り組んだ路地を進むと、山門が目に入ります。玄関を入ると住職の石上公望さんが迎えてくださいました。「まずは、お茶でもどうぞ」。
控え室には、すでに他の参加者が数名。挨拶を交わし、少し緊張しながら坐禅の始まりを待ちます。
午後7時前。「そろそろ始めましょうか」と、おもむろにご住職が本堂へ入っていかれます。参加者もそれに続き、本堂へ。蝋燭の炎にゆらめく文殊菩薩の前に進み、作法にのっとり壁に向かって坐ります。
照明を落とした本堂。中央の須弥壇上に照らし出されるご本尊のお釈迦さま。坐禅中、お姿を目にすることはできませんが、その優しい眼差しを背に受け、見守られているような安心感があります。
周囲の音もほとんど聞こえず、ここが住宅地であることを忘れてしまうほど。日常では味わえない心地よい静けさに包まれます。