仏事の知識と心得

日常のおつとめの作法は?

曹洞宗の基本は、お釈迦さまが菩提樹の下で悟りをお開きになったときの追体験としての坐禅です。日常のおつとめもこれと同じで、仏前では坐禅をするときと同じ気持ちで心をととのえて静かに正座します。

おつとめの手順としては「信は荘厳(しょうごん)から」といわれるように、まず、お給仕からはじまります。朝起きて洗顔を終えたら、仏壇の扉を開き、花立ての水を替え、仏飯(ご飯は炊きたてをあげる。炊けていなければ、炊けたときにあげればよい)、茶湯をそなえます。ロウソクに火をともし、線香に火をつける。リンを鳴らして合掌礼拝し、一日の誓いと仏さまの加護を祈る。読経を終えたら再び合掌する。そしてロウソクを消す。

夜は寝る前に合掌して、今日一日の無事を仏さまに感謝します。そして、ロウソクや線香などの火が消えていることを必ず確認してから仏壇の扉を閉めます。

おつとめの回数は、朝夕二回が原則ですが、それがむずかしいときはどちらか一回でもおつとめしましょう。

時間にゆとりのない場合は、茶湯をそなえて線香を立て、合掌して「南無釈迦牟尼仏(なむしやかむにぶつ)」と本尊唱名(ほんぞんしょうみょう)を心から三回となえる、あるいは『三宝帰依』をとなえるだけでもよいでしょう。

それもできない場合は、仏壇に向かって合掌礼拝だけでもしましょう。そうすることだけでも、心に安らぎと落ち着きが生まれ、本尊や先祖に護られていることを実感できることでしょう。

このように日頃から仏壇の前に座って手を合わせることを心がけておきたいものです。

不明な点があれば、菩提寺の住職にたずねてください。