仏事の知識と心得

檀信徒の心得は?

檀信徒(だんしんと)とは、檀徒(檀家・檀中)と信徒(信者)のことで、仏教に帰依し、お寺や教団を護る人々のことです。檀信徒にとってお寺は自身の祖先の安住処であり、自身の魂の落ち着く場所であり、人生に光明を見いださせてくれる場所でもあります。また、お寺は檀信徒の信仰生活の場であるばかりでなく、社会生活と密接に結ばれている場所でもあるのです。

曹洞宗の檀信徒としての生き方の第一は、「仏法で生きる」ことです。つまり、仏さまの教えを無心で信じること。それは、食事、掃除、労働すべてに無心、感謝の心で生きることです。そのためには聞法(もんぽう)や読書などによる無心を育てる学習も必要でしょう。また、仏さまへの礼拝、読経、感謝、先祖への供養も大切です。そして檀信徒のつとめは、布施、お寺の諸行事への参加、家庭での日常のおつとめなどです。

なかでも布施は、互いに生かされていることを助け合いで確かめる大切な修行。布施の「布」は広いということで、相手を選ばずにという意味、「施」は白身のをっている力や物を人に役立てる意味があります。仏さまの教えを伝えてくれるお寺の維持もそのひとつであり、その方法として金銭・供物・労働奉仕・法要への出仕などがあります。