禅〜凛と生きる〜|曹洞宗近畿管区教化センター

坐禅のすすめ

参禅体験レポート

夜ならではの雰囲気を味わう

慈恩山 西福寺

和歌山市
熊澤泰禅禅師ゆかりの寺「慈恩山 西福寺」

夜の坐禅会

夜空に輝く月のやわらかい光に照らされながら、入り組んだ路地を進むと、山門が目に入ります。玄関を入ると住職の石上公望さんが迎えてくださいました。「まずは、お茶でもどうぞ」。

控え室には、すでに他の参加者が数名。挨拶を交わし、少し緊張しながら坐禅の始まりを待ちます。

午後7時前。「そろそろ始めましょうか」と、おもむろにご住職が本堂へ入っていかれます。参加者もそれに続き、本堂へ。蝋燭の炎にゆらめく文殊菩薩の前に進み、作法にのっとり壁に向かって坐ります。

照明を落とした本堂。中央の須弥壇上に照らし出されるご本尊のお釈迦さま。坐禅中、お姿を目にすることはできませんが、その優しい眼差しを背に受け、見守られているような安心感があります。

周囲の音もほとんど聞こえず、ここが住宅地であることを忘れてしまうほど。日常では味わえない心地よい静けさに包まれます。

西福寺 本尊
西福寺
西福寺
西福寺

じっくりと坐る ただ坐る

坐禅は約40分間。坐禅中の指導や、警策で打たれることはありません。「坐禅はどこまでも自分の行いですから、警策に頼ってばかりではいけません」と共に坐禅をするご住職。

ただ静かに坐る。何も求めずただひたすらに…。まさに「只管打坐」の道場です。

鐘が鳴り、休憩時間。先ほどの書院でお茶をいただきながらホッと和みのひと時です。

「坐禅はまだよくわかりませんが、この会は自分にとって大切な時間」と、参加の本島さん。じっくりと坐る中で、心の変化や、気づきがあるようです。

「それでは、私は坐ってきます。あとはご自由に」と、休憩を終えたご住職が坐禅に向かわれました。自由さとピリッとした空気の共存する、まさに大人の坐禅会。他の人たちも静かにその後について、坐禅を続けました。

西福寺 住職 石上公望さん
寺院概略

境内には立派なクスノキが植わり季節ごとに様々な表情をみせ、訪れる人の心を和ませる。西福寺では毎月1回の「福田会」という袈裟を縫う会や、「禅学林」という子どもから大人までが参加できる学びの会を開催するなど「歩々是道場」にふさわしい活動が行われている。

西福寺
「西福寺坐禅会」DATA
【開催日】
第1・第3土曜日
【時間】
午後7時00分〜午後9時00分
【内容】
坐禅(40分)・休憩・坐禅(40分)
※坐禅の回数は自由
【参加料】
無料
【TEL】
073-422-0308
※事前にご確認のうえご参加ください。
交通アクセス
住所 和歌山市小雑賀89
交通 和歌山バス(紀三井寺線)乗車
南中島バス停より徒歩5分
※記事は取材時点での内容です。
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