禅のお話
過去の法話
笑う門には福来る
「笑う門には福来る」という諺はご存知ですね。笑っていますと健康に良いそうです。
笑い方は、アイウエオとハヒフヘホを組み合わせますと笑い声になります。アハハ、イヒヒ、ウフフ、エヘヘ、オホホの5つです。この中で、一番健康的な笑い方はどれでしょうか。「アハハ」です。
禅宗には「呵々大笑(かかたいしょう)」という言葉があります。
布袋和尚さんをご存じですね。大きなお腹を出し、大きな口を開けて笑っている和尚さんです。この笑いを「呵々大笑」と申します。呵々とは大声で笑う様子を表し、大笑とは「アハハ」と大笑いすることです。
腹の底から「アハハ、アハハ」と笑いますとかなりのカロリーがとれるといわれています。腹の底から笑っただけで、カロリーが消費されているのですから有難いことですね。
あなたは、笑って過ごしておられますか。
笑いは、人間にだけ与えられた、心の表現方法です。
昔、お釈迦さまが霊鷲山で説法なされていた時のことです。
お話が大変難しくなってきたのでしょう。お釈迦さまはひと息つかれて、そばにあった蓮華の花をひねって見せました。でも、誰もその意味が分からずに、ただぼんやりと見ているだけです。その時1人だけ、摩訶迦葉(まかかしょう)というお弟子が、それを見ていてにっこりと微笑まれました。するとお釈迦さまはたいそう喜ばれて、「摩訶迦葉に附属(ふしょく)す」と言われ、仏教の極意を授けられました。この話は「破顔微笑(はがんみしょう)」といも「拈華微笑(ねんげみしょう)」ともいわれる有名なお話です。
話を聞いていてもわからない時には笑えません。物事がわかった時ニコッとします。
笑い方にはいろいろあります。「含み笑い」「苦笑い」「愛想笑い」「せせら笑い」「作り笑い」「思い出し笑い」「ひとり笑い」「高笑い」「馬鹿笑い」「貰い笑い」「誘い笑い」など、たくさんの種類があります。
腹が立ったり悩んでる時に笑えますか。笑えませんね。でも、腹が立ったり、心が落ち込んでいるときこそ、「ニコッ」としてみてください。不幸が退散し、幸せがおとずれます。ニコッと笑うところに幸せが来るのです。
「泣いて暮らすも一生、笑って暮らすも一生」という諺がありますが、毎日明るく笑って暮らしたいものですね。