禅のお話
過去の法話
あなたはどのタイプ?
腹が立って怒るのはどんな時でしょうか?
自分の思いどおりにならない時とか、相手が約束を守らなかったとか、不正をした時に腹が立つのです。また、相手が良いことをした時にも、腹が立ちませんか。
親友から「東京郊外にマイホームを新築しました。」という挨拶文とともに、招待状が送られてきました。
お盆が終わり訪ねました。
奥さんの手料理や飲み物をご馳走になって、懐かしい話で盛り上がっていた時、友達が便所に行こうとして席を立ち上がりました。その時です。ほろ酔い加減だったので足がふらつき、テーブルのそばに置いてあったビール瓶を倒してしました。新しい畳が見る見るうちに濡れていきます。
「あっ、いかん」
とっさの大声に、奥さんが台所から飛び足してきて、
「あら、ごめんなさい。私がかたづけておかなかったものですから」
と言いながら、タオルで畳を拭き始めました。友人は、
「ごめん、ごめん」
と言って、照れくさそうに出て行きました。席に戻った時
「君の奥さん、素晴らしい人だね」
と話したことを思い出します。
ここで、自分の過ちを奥さんになすりつけたり、怒鳴っていたら、きっと私は不愉快になっていたことでしょう。
お釈迦様は、「この世の中には三通りのタイプの人がいるのだよ」と心のあり方を説法されます。
第一は、「怒り」と言う文字を岩に刻み込んだようにいつまでも治まらない人。
第二は、砂に文字を書いたように、腹は立てるが、しばらくすると消えてしまうような人。
第三は、水に文字を書いたように、悪口や不愉快な言葉を聞いても、少しも心に留めることなく、優しい大らかな気持ちのある人。
さて、あなたは例え話の「岩と砂と水」、どのタイプでしょうか?