禅〜凛と生きる〜|曹洞宗近畿管区教化センター

禅のお話

今月の法話

学ぶ人 日時を無駄にせず

京都府 萬歳寺住職 服部俊憲 老師

大人も子どもも週5日制です。大人は5日働いて2日休む。子どもは5日学校に行って2日休む。これが今の私たちの1週間です。

私たちのご本山永平寺と總持寺では「四九日(しくにち)」といいまして4と9の日は休息の日です。洗濯をしたり、着物のほころびを繕ったり、買い物をしたり、浄髪といいまして頭の毛を剃ったり、また夜にはお風呂に入ります。

朝は1時間だけ遅く起きます。しかし、ちゃんと朝のお経のお勤めはいたします。皆さまの休日はいかがですか。

今の子どもたちは勉強や塾、クラブ活動に忙しく、休みの日ぐらいは朝寝坊をされる人が多いと思います。夏休み、皆さまのまわりのお子様はどのように夏休みをお過ごしでしょうか。

道元禅師さまは、正法眼蔵随聞記の中で、次のように申されています。
「学人は必ずしも死ぬべき事を思うべし。道理は勿論なれでも、たとえばそのことばは思わずとも、しばらく先ず光陰を徒にすぐさじと思うて、無用の事をなして徒に時をすぐさで、詮ある事をなして時をすぐすべきなり」
と申しておられます。これを訳しますと

「学ぶ人は、間違いなく死ぬのだと言うことをよく考えよ。人が死ぬという道理はいうまでもないが、それはどういうことかというと、死ぬという言葉で考えなくても、ともかくも、日時を無駄に過ごすまいと思って、いらないことをして日時を無駄に過ごさず、甲斐のあることをして時を過ごすべきである。そのなすべき事のの中で、またすべての事のうち、どれが一番重要であるかと考えることです」

人生長生きしても100年。1年365日。1日24時間・・・。1日、1時間を大切に過ごしましょう。

2012/08/21
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