禅〜凛と生きる〜|曹洞宗近畿管区教化センター

禅のお話

今月の法話

「いただきます」の心

奈良県 宝泉寺住職 北野哲由 老師

檀信徒の皆さんと永平寺に上山した時のお話です。
坐禅や掃除、朝のおつとめと、雪の降り積もる中を皆さん一生懸命に修行に励んでおられました。やがて、「パン、パン、パン」と木版の音が響くといよいよ食事の時間となるのですが、参禅者の足取りは重いままです。
というのも食事もまた修行の一つであって、しかもすぐには覚えられないほどの細かな作法があるのです。道元禅師は、心のこもった食事を身体と生命を支え得るだけ頂いて生活するのが修行である、と示されています。参禅者の方にとっては、作法に追われて最初は喉も通らない思いだったことでしょう。

「五観の偈」という五つのお唱え事があります。


この五つの思いが一つになったのが「いただきます」という言葉なのではないでしょうか。

2007/04/04
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