禅〜凛と生きる〜|曹洞宗近畿管区教化センター

禅のお話

今月の法話

願いに生きる〜僧〜

京都府 苗秀寺住職 大谷俊定 老師

今回は「仏・法・僧」という三帰戒の「僧」についてお話いたしましょう。
「僧」とは、サンスクリット語のサンガという言葉から出てきたものです。
道元禅師さまは「僧は勝友なり」とお示しです。

つまり、「僧」はお釈迦さまの教えを実践しなければなりませんし、その教えが正しいことを世間に証明しなければなりません。さらにはその正しい教えを伝える人を育て、教えを次の世代に伝えることをしなければなりません。

私たちの日常生活に眼を向けてみましょう。
幼稚園のお子さん達が秋晴れの中、楽しそうに遠足です。お隣のお友達とお手手をつないでいます。かわいいですね。信号のところにやってきました。先生が「信号が赤です。皆さん止まってくださ〜い」園児たちは一斉に「はーい」と言ってお手をつないだまま、信号が変わるのを待っています。
そこへ一人の若い女性が信号を無視して、横断歩道を渡り始めました。先生はそれを見つけて「幼稚園のみなさんが見ていますよ。信号を守って渡ってください」と勇気のある発言。女性は戻って園児と一緒に渡って行きました。

こんなこともありました、交通事故で自動車のガラスがあたり一面に落ちていました。一人の女性が自転車から降りて、そばにあったた藁を一束とって、それでガラスを掃き集めていました。ちょっとしたことでよいのです。それが大きな広がりとなるのです。

お釈迦さまのお心をいただき、法というバランスを大切に保ち、些細な身の回りの事から実践をさせていただくことが大切ですね。
それを「僧」サンガといいます。
一人が始めなければ何も始まりません。
あなたに「僧」になっていただきたいのです。

2005/10/18
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