禅のお話
今月の法話
精進
滋賀県 安昌寺住職 小泉義和 老師
あなたは砂漠でさまよい、水もない、食べ物もない、もう死ぬかもしれない。
そんな時どうしますか。もしその時、水と食べ物が見つかったとしたら。 「自分はどうでもいい」と、考えますか。
おそらく「水が欲しい、食べ物が欲しい」と、一生懸命になるでしょう。
生きていく気がなければいけません。
ありがたい命です。
便利な世の中になりました。深夜であろうが早朝であろうが、欲しいものがコンビニエンスストアに行けば手に入るようになりました。
食事を作る献立に、要する時間。食べ物の片付け。手間をかけることなく、生きていけるかもしれません。
「一人暮らしは面倒だ」と、食事を簡単に、手に入るものだけを食べていませんか。
「さびしい食事は、美味しくないから適当に」と、ちゃんと食事をとらずに、お菓子などを食べるだけで、済ましていませんか。
私たちは食事をちゃんといただいてこそ、生きる命に、明日への活力がみなぎるのではないでしょうか。
精進する。心を励まし、いそしみ、励むこと。
今、食事を只ひたすらにいただく事は、薬をいただくことと同じように、お年よりもお食事をいただくことを、痩せ衰えを防ぐためにもいただきましょう。
好き嫌い言わずに美味しくいただきましょう。命を救い、防ぐのは、あなたなのです。
2003/11/18