禅のお話
今月の法話
家族の一日
いよいよ完全学校週五日制が実施され、毎週土曜日が休みとなります。子供たちは休日をどのように過ごすのでしょうか。
全国中学校長のアンケート結果では、「テレビやゲーム、マンガなどで過ごす時間がさらに増える」と出ていました。
こんな川柳があります。
●パソコンと 妻子が俺を バカにする
●我が家では 子供ポケモン パパのけもん
情報化社会を迎え、家族のあり方、過ごし方が変わってきています。
また、こんな川柳もあります。
●父帰る 娘出かける 妻眠る
家族がそれぞれ勝って気ままな生活をしているのです。
昨年の十一月、東京都心の小学校五六年生の男女五十人を対象に「 現実の朝食」と「理想の朝食」の二枚の絵をコメント付きで描いてもらった結果が新聞に出ていました。
多くの子供たちは、「テレビを消し、家族そろって、会話をしながら、楽しくゆっくり過ごしたい」と答えを書いていたのです。
家庭は、心の癒しの場でなくてはなりません。私達、一人一人の心のあり方、心の重要性を考えていかなければならない時期に来ていると思います。
皇太子殿下のお子さまがお生まれになった時、妃殿下のお母さんが、記者会見で、「子供は親の後ろ姿を見て育つと言われますように、親の態度、言葉使い、そういったものを見ていることに、私はいつも緊張感をもって育てたという気がいたします」 と子育てについて、お話しをされていました。
世の中、混沌とした社会になり、「心の教育」「生命の尊さ」が盛んに叫ばれていますが、犯罪は増え続けており、空しく響くばかりです。
皇太子さまはご誕生について、「子供の姿を見るまでは、父親になるということは実感としてわきませんでしたが、子供の元気そうな様子を見て、初めて実感したように思います」 と述べておられます。
お釈迦さまは、「父や母がどのような幸福を与え、又、その他の親族がどのような幸福を与えようとも、正しい精神は彼自らの上にさらに大いなる幸福を与える」(『ダンマパダ』四三)と諭されました。
最も大事なことは、「人間として産まれてきた、この喜びを感じさせる」心の教育ではないでしょうか。
家族生活を見直したいものです。