写経とは読んで字の如く「お経を写す」、すなわち書写することです。
写経は私達の祖先から受け継がれてきた浄行として、現在も多くの人々によって根強く信奉されています。
昨今、あらためて仏教を学び、その教えにふれる方が増えており、その中ではじめて写経にとりくまれる方も多いようです。
わが国での写経は、天武天皇が白鳳2年(673年)一切経を川原寺で写さしめたのが始めといわれ、その後、聖武天皇のころ、 多くの写経所を設け、写経司を任命し、これら専門のものが書写して収蔵し、また、諸国の国分寺等に配布されました。
それが、おそらく平安時代ごろから、修行のためや、また、病気平癒、罪業消滅、先祖供養など祈りやねがいを目的にした個人的写経が始められたようです。