寺mono ─ 解説!お寺の道具

鏧子(けいす)

響きわたる音が心地よい

木魚とセットで使われ、大きさにより「大鏧(だいけい)」・「小鏧(しょうけい)」と呼ばれる。棓(ばい)という棒状の道具を使って打ち鳴らす。

鳴らすタイミングが決まっており、法要では導師の動きに合わせるのが基本。また、お経の終了を示したり、礼拝の合図となるなど、様々な僧侶の動作を促す為に鳴らされる。

本来は、堂行(どうあん)という専任の人が行う。ご本山などではかなり大型になり、棓もずっしりと重い。

「ゴーン」と鳴らすだけでなく、「ガツ」と音の余韻を消すようにする押鏧(おうけい)や「カチリ」と鳴らす捺鏧(なっけい)などの方法もある。

力任せにせず、それぞれの鏧子にあった加減と角度で打つと美しい音になる。音色の違いだけでなく、鳴らし方に注目するのも面白い。

【けいす】
読経の時など打ち鳴らす鉢型の梵音具。
布団状の敷物の上に置かれている。主に銅製。
◆鈴(りん)
一般の家庭では小型の鏧子として鈴が使われる。仏壇に木魚が無くても鈴は備えてある家庭が多い。
親しみを込めて「おりん」などと呼ばれる。
鈴(りん)
鏧子(けいす)