鐃鈸は、西洋楽器のシンバルに似ているが、音はそれよりも素朴で太い。紐を指の間に挟んで持ち、上下に擦り合わせるようにして音を出す。力まかせに打ち鳴らしても美しい音は出ない。特に音の余韻を生じさせるために、双方を微妙に触れ合うようにするが、ある程度熟練しないとうまく奏でることができない。
また、上部の端をカチカチと軽く触れ合わせる鳴らし方もある。
曹洞宗では、施食会などの特別な法要や葬儀で使用する。
手鏧(しゅけい)(引鏧(いんきん))・太鼓とセットで鳴らすことが多く、これを「鼓鈸(鉢)(くはつ)」という。俗に「チン・ポン・ジャラン」などと表現される。
仏さまの徳を讃えたり、諸仏書菩薩をお迎えするため、また亡き人の成仏のために鳴らされる。
【にょうはち】
中央がドーム状に突起した円盤形の法楽器。主に銅製。両手に持って打ち合わせて音を出す。
妙鉢(みょうはち)・鈸(はつ)ということもある。