寺mono ─ 解説!お寺の道具

天蓋(てんがい)

仏を覆う美しい傘

古くはインドにおける日よけ(日傘)がその原型とされる。暑さをさけるため王様や貴人が使用することから、高貴さや豊かさの象徴であった。のちに、それが転じて、仏や菩薩を守り、美しく厳かに飾るための道具となった。

お寺の本堂の中央、導師が立つ位置の天井から吊り下げられるものを「人天蓋(にんてんがい)」、仏像の上にあるものを「仏天蓋(ぶってんがい)」と呼ぶ。

箱型、傘型、華型、丸型などの様式があり、いずれも瓔珞(ようらく)や幢幡(どうばん)といわれる装飾が施されている。

大きさや形、装飾に違いがあるので、お寺でその違いを見てみるのも面白い。

ちなみに、時代劇などで登場する虚無僧(こむそう)が頭にかぶる笠も天蓋と称する。

天蓋(てんがい)
【てんがい】
荘厳具(しょうごんぐ)の一つ。
仏像や導師を覆うように吊るされる。
主に木製で、彫刻、金箔押しや彩色が施されている。
  • 内側に鮮やかな絵が描かれている場合もある。
    内側に鮮やかな絵が描かれている場合もある。
  • 龍や花の細工がされている。
    龍や花の細工がされている。