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寺mono ─ 解説!お寺の道具
払子(ほっす)
ほとけさまの髪のように大切に…
もともとは、お釈迦さまの時代に、蚊やハエを追い払う道具として使用することが許されたのがはじまり。私たちと同じように飛び回る虫に悩まされていた当時のお坊さん。しかし、むやみに殺すことはできない…。殺生を禁じる仏の教えを実践するための生活道具だった。
払子はその後、中国に伝わりその意味合いが変化する。お釈迦さまの「髪の毛」にみたて、煩悩や災いを払う功徳を持つと考えた。禅宗では高僧が説法する時や、法要の導師をつとめる時に手にし、厳かに左・右・前に振るようにして払う動作する。
その作法とともに師匠から代々受け継がれる尊い法具である。
【ほっす】
動物の毛や麻・綿などを束ね、これに柄をつけたもの。現在、日本においてはヤクや馬の毛など白色のものを使うことが多い。
僧侶の大切な法具で、特に法要(行事)をつかさどる導師が手にする。
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毛をたくさんの束にしてまとめてある。
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柄には龍などの細工がほどこされている。
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お坊さんの木像などは、払子を手にするものも多い。