過去の法話

善男善女

京都府 神応寺住職 安達瑞光 老師

人々は幸せを願い、神社仏閣にお詣りします、神仏に祈る善男善女の後ろ姿を見ていると、次のような三つのタイプに分けてみたくなりました。

その一、宝くじ願望型・身勝手な願掛けばかり努力なし自分中心型

その二、御利益誘導型・神仏とギブアンドテイクだからと、見返りの御利益を請求する共存共栄型

その三、感謝誓願型・神仏のご加護に感謝して、他のために尽くしますと誓う・利他中心型 です。

善男善女の背中にも「欲」という字が書いてあるのでしょうか。

誰でも幸せになりたいと願います。、自分が幸せになりたいならば、他を幸せにすることです。他を幸せにせずして自分の幸せはない。小さな一歩から、まず社会や他人に迷惑をかけないことに徹する生き方を日々こころがけましょう。

自分のことを棚に上げて、世の中や他のせいにしたり、神頼みばかりで自分を変えていこうと努力しない人もけっこう多いようです。欲ボケしてしまった自分を元の自分、すなわち(仏)に戻しましょう。

経済不況や社会不安の増す現代社会です。急激に変貌する世情において、「スローライフ」という言葉をよく耳にします、世の中経済(お金)が基本だとする風潮に対する新しい価値観の模索でしょうか。自分の生き方を見直そうということでしょうか。

つかみ取り、奪い取ろうと思う手を、合わす手に変えてみましょう、合わす手に仏心が現れます。 自分本位の心を捨てて、「利他」中心の生活態度を心がけましょう。我が身に福が、心に徳がそなわるように、幸せな人、福徳円満の人になろうと神仏に誓いましょう。

2004/02/19