仏事の知識と心得

なぜ、仏壇をまつるの?

お仏壇をまつる意義

お仏壇をまつる最も大切な意義は、私たちが仏教徒として生きる信仰実践のよりどころである、ということです。

曹洞宗の信仰実践の基本は、端坐(たんざ)・合掌(がっしょう)・礼拝(らいはい)です。静かな心で端坐し、お釈迦さまに合掌礼拝することにより、私たちの日々の生活を反省し、教えを生活の中で実践する活力を生むのです。そして、その実践が心の安らぎへと連なっていくのです。

お仏壇にご先祖さまをおまつりし、おまいりするということは、生命が、生命から生命へと受け継がれ、今の私があるということへの報恩感謝の実践といえるでしょう。それは、私が私ひとりで生きているのではなく、多くの生命によって生かされているのだ、と深く実践することでもあるのです。

このように、お仏壇は、ただ単にご先祖さまをおまつりするだけの場所ではありません。お仏壇の中は仏さまのおいでになる世界、須弥山(しゅみせん)をあらわしており、中心に本尊(ほんぞん)さまがまつられています。大きさは違いますがお寺の本堂と同じです。

つまり、お仏壇は「家庭の中のお寺」なのです。